2011年11月24日木曜日

親戚との集まりで政治談義を交わす方法

今日はアメリカではサンクスギヴィングの休日です。私はこれから、ブランチ、夕方の集まり、夜のディナーと三つのパーティに出かける(こうやって招いてくれる友達がいろいろいるおかげで、自分は料理も皿洗いもしなくていいのがありがたい)ので、七面鳥たっぷりの一日に備えて昨日はジョギングに出かけてきました。でも、385カロリー消費しただけなので、今日摂取するであろう量にはとうていかなわず、ブランチと夕方のあいだにもジョギングに行こうかと検討中。(ちなみに、三ヶ月前に始めた例のフィットネス・ブートキャンプは、頑張って続けています。今週はサンクスギヴィングなので一週間お休みですが、来週から再び始まります。おかげさまで、体重はそれなりに減り、体型にも目に見えた変化が出てきました。慣れとはすごいもので、五時に起きるのもそれほど苦ではなくなってきました。)


さて、『ドット・コム・ラヴァーズ』でも書きましたが、アメリカではサンクスギヴィングやクリスマスは家族や親戚が家に集まってゆっくりと食事をしながら団らんする、家族中心の休日。小さい子供がいたりすると、和やかで楽しい一日になりがちですが、親戚とは必ずしも自分と同じ思想信条やライフスタイルを共有する人たちばかりではないので、こうした団らんの場がそれはそれはオソロしい葛藤の舞台となってしまうことも少なくありません。とくに、アメリカの人は政治談義が好きな人が多く、とくに選挙の話題になったりすると、それぞれがムキになって自分の意見を主張し、しまいには七面鳥を前に大げんかになって収拾のつかない事態になる、ということも。今年は選挙こそないものの、Occupy Wall Street運動やら議会での予算削減策交渉の破綻やら、議論に火をつけるネタには事欠きません。そうした親戚との議論を予測して、主にメールやインターネット上で活動を展開する左派団体のMoveOn.orgが発信しているのが、「サンクスギヴィングに打ち破るべき五つの神話」というリスト。親戚の集まりで、保守のおじさんが議論をふっかけてきたら、冷静にきちんと反論できるようにと、話のポイントを絞って整理したもの。こうやってサンクスギヴィング用にわざわざ用意してくれるところがなんとも面白い。保守が信じている誤った神話というのは、


1 議会で予算削減策が成立しなかったのは、両党が妥協しようとしなかったからだ
2 Occupy Wall Street運動にかかわっている連中は、なにを求めているのか自分たちでもわかっていない
3 Occupy Wall Street運動にかかわっている連中は、そんなヒマがあったら仕事を探すべきだ
4 Occupy Wall Street運動にかかわっている連中は、とくに銀行や警察に対して暴力的な行動をとる意図まんまんである
5 現在アメリカが直面している最大の危機は、際限のない政府のバラマキ政策である


というもの。これらがなぜ誤った神話であるかという説明は、実際の記事を読んでいただきたいですが、とくにここ一週間、カリフォルニア大学デイヴィス校で非暴力の抗議運動(しかも抗議の対象は大学の授業料値上げや公立高等教育の弱化)を行っていた学生たちに対して警察が催涙ガスを使った事件について、大学関係者はもちろん各方面のメディアや言論人が大学学長や警察を糾弾していますが、こうした事件も、アメリカ各地のサンクスギヴィング・ディナーの話題となっていることでしょう。


ちなみに、ナショナル・パブリック・ラジオの番組では、議会で冷静に礼節をふまえた議論を行うための分科会なるものを始めた、ウェスト・ヴァージニア州選出の共和党議員Shelley Moore Capitoがゲストに迎え、サンクスギヴィングの集まりで政治談義になったときの交わしかた、というアドバイスのようなものをしていますが、うーん、議会の状況からして、あまり説得力がないような。。。