2010年2月26日金曜日

Texas Tough

浅田真央さんの演技の前半の素晴らしさと後半のミスの残念さ、そして本人の悔しさに、胸がつまりますね。私は、キム・ヨナを見ていると、クライバーン・コンクールで2位になったYeol Eum Sonを思い出します。韓国女性独特の気迫が感じられて、キム・ヨナがピアニストだとしたら、Sonのような演奏家になるに違いない、という気がします。

さて、私の仲良しの同僚Robert Perkinsonの待望の著書Texas Toughが発売になりましたので紹介します。彼はハワイ大学で私と同じアメリカ研究学部で政治史・社会史、とくに刑罰の歴史を専門をしている人で、『現代アメリカのキーワード 』の「刑務所産業複合体」の項目を執筆してくれた人です。この本は、アメリカが世界最大の刑務所帝国となり、なかでもとくにテキサス州が、服役人口、刑務所の民間化、死刑を含む重刑の数、刑における人種間の不均衡などにおいて、全国でも群を抜くという状況になった歴史的背景を、奴隷制の時代から解き明かした力作です。立法・司法関係の文献を幅広く調査すると同時に、服役者や刑務所改革活動家との数多くのインタビューや文通を通して、多角的な視点から歴史と政治を大きくとらえた著作です。読むと背筋が寒くなる思いもしますが、アメリカの重要な一面を知るには格好の書ですので、よかったらどうぞ。テキサスの雑誌に載った著者のインタビューはこちら