2009年10月8日木曜日

ハワイ大学 Teach-in



台風で授業を休講としたため、一日家でインターネットやテレビに向かっていたのですが、ちょうどいい(?)ことに日本時間の今日、私の普段の勤務先であるハワイ大学で、州知事が要求している大幅な大学予算削減に抗議するteach-inが行われました。約500人の教職員や学生たちが集まった、その模様をFacebookに投稿された数十件のポストやネット上の報道で見ることができました。

teach-inとは、大学などで、ある問題についてさまざまな立場の人の演説、発言、呼びかけ(そして音楽の演奏や詩の朗読など)に場を提供し、議論や行動を呼びかけるための公開集会で、とくにさまざまな学生運動が盛んだった60−70年代には各地の大学で頻繁にこうしたイベントが行われました。現在、州立大学であるハワイ大学は、不況の影響でこれからの数年間、年間7千億ドルを超える予算削減が必要と見込まれており、この削減額を満たすために州知事は、給与カットと健康保険料の自己負担分増加を合わせると実質14%にもなる収入削減を教員に要求するだけでなく、(終身雇用権をもつ教員を含め)一部の教員やスタッフの解雇、さらには学科やプログラム、学生のための各種サービスの一部をまるごと削減するといった可能性も示しています。既に古くボロボロで設備もふじゅうぶんな建物の教室には学生がぎゅうぎゅう詰め込まれ、教員はなんとかひとりひとりの学生に目が届くきちんとした授業をしようと懸命に頑張っているのですが、なにしろ授業の配布物をコピーするための予算も削られ、個人の研究室には電話もないような学科も少なくないなかで、これ以上の予算削減にあっては、研究教育機関としての機能はとてもじゅうぶんに果たせません。これからのハワイを担う人々に必要な知識やトレーニングを与える教育という社会基盤を切り崩すばかりか、研究開発を通じて経済活動の原動力としても重要な役割を果たしている大学の財布にここまで深くメスを入れては、中・長期的には経済的にも逆効果のはずです。といった状況のなか、数多くの教員や学生たちが見事な組織力を発揮してこの集会を計画し、そのなかでも私の所属するアメリカ研究学部の教員や大学院生たちの多くが中心的な立場に立って、仲間を動員し、雄弁に発言していたようなのが、とても頼もしく思います。カリフォルニア州立大学システムでも、大規模なストライキなどが行われ、全米の州立大学は似たような状況に置かれたところが多いのですが、今のアメリカの大学での「運動」の雰囲気を感じ取るために、ちょっとこれらのリンクを見てみてください。

http://ilind.net/gallery_2009/teachin100709

http://www.kitv.com/money/21232270/detail.html

http://kgmb9.com/main/content/view/21794/