2009年9月16日水曜日

鳩山政権発足

いよいよ鳩山政権がスタートしました。これから日本の政治がどのように変わっていくのか、実際に日本で観察できるのはとても幸運なことだと思っています。それにしても、この鳩山内閣、いくらなんだって女性が少ないと思いませんか?象徴的な目的のためにとにかく女性を大臣に登用すればいいなどとはもちろん言いません。サラ・ペイリン氏のような女性がリーダーのポストに就くくらいだったら、知識と頭脳と経験をもった男性が就いたほうが、女性にとってもずっといいのは当然です。それでも、いくら女性差別への取り組みや成果が不十分だと国連の委員会に批判された日本だって、さまざまな分野で長年のキャリアを積んだ、有能で見識のある女性がたくさん存在します。私が直接関わることのある、ごく限られた分野でも、「あー、こういう立派な女性が日本にいるんだなあ」と頼もしい気持ちにさせてくれる女性に出会うことが多いのですから、日本全体には、そうした女性が大勢活躍しているはずです。せっかくいろいろな経歴の女性が民主党の新議員として登場したことだし、新しい時代の政治を唱える政権だったら、そうした女性がせめてもう数人、入閣してもいいだろうに、と思います。そして、そうしたことについて、女性団体を初め、国民がもっと声をあげて、指導者たちにプレッシャーをかけていくことが必要だと思います。

ついでに言うと、福田衣里子さんが「『先生』ではなく『福田さん』『えりちゃん』と呼ばれる国民と距離の近い政治家でいたい」と言ったそうです。政治家が「先生」と呼ばれることはおかしいと思うので、「福田さん」はいいですが、「えりちゃん」はちょっと。。。私は彼女のような人が議員となったのはいいことだと思っていますが、国民の声を代弁し、国民をリードするプロの政治家として選ばれたのだから、「えりちゃん」と呼ばれることを目指すようなことはやめて、もっと高い次元で仕事をしてくれることを期待します。だいたい、日本は女性が「かわいい」ことをきわめて高く評価する文化ですが、10代の女の子やポップ・アイドルならともかく、社会に出る大人の女性が、意識的にせよ無意識的にせよ、そうした「かわいい」という女性の理想に沿おうとするのは、正直言って馬鹿馬鹿しいと思います。もちろん、日常的な人間関係においては、男性にも女性にも「かわいい」と思われるほうが「憎たらしい」と思われるよりもいろんな意味で便利だし、目的達成にも効率的なのは間違いないでしょうが、「かわいい」女性像に社会全体がとらわれていることは、男性と対等の尊厳ある存在として女性が扱われることの足かせとなっているとも思います。まあ、男性政治家も「純ちゃん」とか「ユッキー」とかいう呼称を嬉しそうに使っているくらいですから、「えりちゃん」的な存在になることを目指しているのは、女性の政治家だけではないのはわかっていますが、政治家というのは国民に親近感を感じさせればよいというものではないでしょう。そんなことより、国民の尊敬と信頼を集めてインスピレーションを与えるような政治家が、増えていってほしいものだと思います。