2009年7月14日火曜日

女性と連邦最高裁

連邦最高裁判事としてオバマ大統領に指名されたソニア・ソトマイヨール氏の承認公聴会が始まりました。承認されれば、プエルトリコ系としては初めて、女性としてはSandra O'Connor, Ruth Ginsburgに次いで3人めの連邦最高裁判事となります。今のところ、公聴会での質問は、彼女のそうしたアイデンティティと彼女の判決・司法観の関係に集中しており、とくに共和党の議員からは、個人のアイデンティティに根ざした価値観や経験を司法判決にもちこむことに懐疑の念を示す声があがっています。ソトマイヨール氏本人が、過去に「ラテン系の女性は、白人男性とは違った人生経験をもっているがゆえに、そのぶん賢明な判断をする」という主旨の発言をしたことがあり、それが大きな注目・批判の対象となっているのですが、こうしたことが、アメリカ社会のアイデンティティ・ポリティクスのありかたをよく表しています。

ソトマイヨール氏の承認公聴会に先駆けて、この日曜日のニューヨーク・タイムズ・マガジンに、現連邦最高裁判事であるRuth Ginsburg氏のインタビュー記事が載っています。記事のタイトルはまさに、「裁判所における女性の位置」。「連邦最高裁に女性がいるということを国民が知ることは大事だ」と言って、ギンズバーグ氏は再発したがんの手術の数週間後にオバマ大統領の議会演説に出席しています。女性としての最高裁判事であるということはどういう意味をもっているのか、また、女性がいろいろな方面で活躍を遂げるようになった現在、司法の世界、そしてアメリカ社会全体で女性はどういう位置にあるのか、ということを垣間みさせてくれるインタビューです。とくに、来週からの私の駒場での「現代アメリカ女性史」の講義に興味のあるかたは、読んでみてください。

ただいま、日本へ出発へむけて掃除や荷造りでてんてこまいの最中なので、短いですが今日はこれにて。