2009年6月22日月曜日

ジョン・アダムス

ゴールデン・グローブ賞などを受賞したHBOのミニ・テレビシリーズ、『ジョン・アダムス』をDVDで観ました。(『現代アメリカのキーワード 』に出てくる現代作曲家のジョン・アダムスではなくて、アメリカ第二代大統領のジョン・アダムスです。)私はLaura Linneyがもっとも好きな女優のひとりなので、彼女が出ているというのが主な理由でこれをレンタルしたのですが、著名な歴史家David McCulloughによるピュリッツァー受賞作である同タイトルの伝記をもとにしたシリーズなので、歴史の表象という点でもとても面白く、よくできた作品だと思いました。

アメリカの独立宣言や憲法の制定、州の権限と連邦制度をめぐる議論、イギリスやフランスとの関係など、革命と建国をめぐる複雑な歴史を効果的に伝え、建国の父を英雄として讃えるだけの単純な物語には決してなっていないところが見応えがあります。ジョージ・ワシントン、ベンジャミン・フランクリン、トマス・ジェファソン、アレクサンダー・ハミルトンなどと比較してジョン・アダムスは現代の一般人には影の薄い存在だと思いますが、アダムスの倫理観、政治観、そして決してバラ色とは言えない私生活などがなかなか奥深く描かれていて勉強になります。妻アビゲイル・アダムスとの関係は感動的で、Laura Linneyの演技がまた素晴らしいです。というわけで、おすすめです。